2009/04/04
最近のLDKプランの傾向
LDKのプラン(間取り)の傾向についてご説明しましょう。
■リビングアクセスへの要求
まず間取りにおいて大きな変化が、リビングアクセスという考え方です。
以前は、玄関⇒ホール⇒廊下や階段や居室といったゾーンの配置が多く見られましたが、最近は玄関⇒ホール⇒LDK⇒各居室といったゾーニングが目立ちます。
理由は二つ。
一つは、コミュニケーション上の問題です。
家族がそれぞれの居室に直行するのではなく、必ずLDKという中心となる場で、顔を合わせ会話が取れる間取りでありたいという要求です。
家族のあり方、親子のあり方ということが、問題視される昨今、家族の絆を取り戻したい、また子供を取り巻く様々な不安、社会環境に、しっかりと目を行き届かせていたい・・・、そんな要求が住まいの交差点として、LDKを中心と位置づけた計画に関心を高めているといえるでしょう。
リビングアクセスにすることによって、空間が有効に活用できる点も歓迎される要因となっています。廊下や階段といった通過するだけの機能空間を居室に取り込むことによって、それぞれの居室を広く確保することが出来ます。
特にLDKは、家族や来客者も集まる空間です。リビングアクセスによって一層広い空間を確保し、ゆとりが生まれることも、このゾーニングが歓迎される副因ともなっています。
■ マルチパーパス空間としてのLDK
家族や友人・知人また親戚が集う空間としてLDKのパブリックスペースが多目的化していることも、最近の傾向です。
家族それぞれがいろいろなスタイルで寛ぐことが出来る・・・、そんな要求が、広い空間を確保したいという目的にあります。心置きなくそれぞれがそれぞれの事をしながら、一緒の空間で過ごすことができる、そんなライフスタイルが求められています。
・ 子供の遊び・学習・休息の場として
・ 家族の団欒の場として
・ 家事や趣味の場として
・ 友人知人、親戚一同会する場として
・ 客間として
・ ホームステーション(パソコンを中心に情報の集約) の場として
・ 読書やAVを楽しむ空間として
・ 料理や食事を楽しむ場として
一人で過ごす場が各個室であるとすれば、LDKはみんなで過ごす、楽しむといった空間です。また広い空間が確保でき、それぞれがそれぞれの時間の過ごし方を一つの場で共有することが出来れば、なおその空間の目的は広がります。
家族の絆を見つめなおす場、作る場としてのLDKの機能は広がっています。

リビングルームの一角に設けたパソコンコーナー・・・皆で共有するパソコンコーナーが、家族の書斎に・・・。
マルチパーパス空間としてのLDK計画のポイント

それぞれのコーナーが程よく独立性を保ちながら、それぞれのコーナーとつながりをもつゾーニング。コーナー間の距離は、人と人の距離であり、家族それぞれの気配を感じつつ、それぞれの過ごし方を包み込む計画
■ポイント2 動線部分の確保
廊下や階段スペースを空間に取り込むことは、それぞれの空間への動線が、部屋の内部に必要となります。またいろいろな機能が増えれば、それだけ動線も輻輳してくることになりますので、家具を配置し、生活動線がしっかりと確保し、それぞれのコーナーの機能を阻害しないよう配慮が必要です。
■ポイント3 視線のコントロール
動線と同様視線のコントロールも必要です。
上り下りする階段の位置と寛ぐコーナーとの位置関係、また同様にトイレや洗面・浴室といったサニタリースペースへの目線のコントロール等への配慮がされていませんと、落ち着きのない、雑然とした計画になりかねません。

キッチンに立つ主婦からの視線の広がり・・・帰宅した家族や、外出する家族、またそれぞれのコーナーで過ごす家族の様子が目に入るが、それぞれのコーナーからは直接目線が会うことはないので落ち着いたコーナー作りが出来る。
■ポイント4 収納のあり方
機能が増えれば増えるほど、そこで必要とする物も増えます。リビングのAV関連、ダイニングの食器やテーブル周りの品々、キッチンの家電や調理機器また食材の収納、子供のおもちゃや勉強道具、趣味の物、家事に必要となるもの、ホームステーションとしての書類や機器関連の物・・・、仕舞いこむ物、見せる物を上手に計画する必要があります。
■ポイント5 家具の配置
収納を含め、家具の配置が十分に間取り計画時に検討されていませんと、上記の動線や視線計画もうまく行きません。
特にリビングにおいては、近年大型化してきているテレビの納め方もポイントの一つです。今までのような奥行きのあるブラウン管テレビの場合は、部屋のコーナー(隅)が有効に活かせましたが、幅のある薄型テレビでは、それが納まる壁の確保が不可欠となります。
テレビの位置とソファの関連や、家事をこなす場とテレビの位置関係などを上手に収めたい物です。

最近はCAD図でのプラン作成や提案が増えてきていますが、プラン(間取り図)や家具のレイアウトも、手描きを取り入れてみましょう。暖かく、味わいのあるタッチが、お客様の心を捉えます。
私たちは初回プレゼンは手描きで行います。
間取り図というよりむしろ、生活俯瞰図といった方が適切かもしれません。
その図面での打合せは、広さやハードな物ではなく、どう生活するか・・・、といった内容が中心となります。
お客様の新しい住まいでのイメージはどんどん広がっていきます。
そこにスケッチパースがあったら、もっと具体的にイメージできるばかりでなく、素敵なアイデアが盛り込まれていれば、安心感が期待感へと高まります。
全てが手描きでなくとも、CAD図に家具等を手描きで入れ込むといった方法もいいでしょう。いろいろプレゼンも工夫して、それぞれのオリジナリティがつくれると良いと思います。
2009/03/05
新築にほしいもののNO.1が薄型の大きなテレビだそうです。
大型テレビは、家具の配置やリビングルームの計画をも変えてきています。
従来、テレビは奥行きが深く、部屋のコーナーに置くのが一番良く納まりました。
しかし、大型薄型テレビは違います。大きな壁に沿わせておくのが一番すっきり納まります。またソファの正面に置くのが、最も見やすくなります。
そこで、リビングの中心にテレビのサイズに合わせた幅の壁が必要となりました。
そこは、和室で言えば床の間、洋室で言えばマントルピース、そして現代はテレビが納まる場所というわけです。
こうして、すばらしくモダンでシャープなデザインにあうテレビコーナーのデザインが求められるようになりました。
テレビも含めたテレビ周りは、リビングのデザインのポイントです。



2009/03/04
近年、リビングダイニングキッチンを広く確保し、家の中心として、LDKから各スペースへアクセスする間取りが多くなりました。
家族団らんや、住育といった子育てに対する関心、また友人・知人との交流など、LDKの位置づけが、ますます高くなってきていること、またキッチン機器の充実や断熱・気密といった住宅の性能の向上が、背景としてそれらを可能にしてきています。
その中で、大きく変りつつあるのが階段室です。
今までは、廊下から、玄関から2階に上がる機能としてその空間がありましたが、リビングアクセスでは、階段がデザインの主役、また上下に上り下りする変化にとんだ空間は、ホームギャラリーやホームステーション(パソコンコーナーや書斎)、ホームライブラリーなど、プラスアルファのゆとりの空間として楽しめます。
それぞれの計画にふさわしいご提案が暮らしの幅を広げるでしょう。
またデザイン的にも、階段そのもののデザイン、2階まで大きく吹き抜ける壁に石やタイルや木など材質感のある素材を選んでみてはいかがですか。
空間がとっても豊かに感じられます。
その空間の楽しみ方、デザインはリビングダイニングの提案のポイントのひとつです。





2008/12/13
玄関ホールにニッチを要望される方が多くなりました。
先に、玄関ホールのコンサルティングポイントでも書きましたように、住まいの顔、出会いの場としての演出のスペースがニッチの目的です。
季節のしつらい、ひな祭りや節句、クリスマスやお正月の飾りつけ、親しい方をお迎えするための歓迎のしつらい、子供のお誕生日のサプライズ等等。
それぞれのご家族の要望や空間にあわせたデザインをご提案したいものです。
オリジナルなデザインや、ちょっと工夫したコーナーが、日々の暮らしを楽しく、豊かにする場となります。
スケッチパースの活かしどころですよ。



2008/12/06
住まいの顔としての玄関、お客様をお迎えしたり、家族の外出を見送り、帰宅を迎える空間、そんな玄関ホールの計画のポイントは、
■ 心を和ます場をつくる
玄関はお客様を迎えたり、外出での緊張感を和らげたりする場所となります。ちょっと前の住宅では、下駄箱の上は、季節の花を飾り、歳時のしつらいをする場所でした。しかし、シューズキャビネットも収納量を増やすためにトールタイプになり、そんな場所が確保できない場合も多くあります。ニッチを設けたり、コンソールを配置して、心和み、やさしい会話が生まれるような場を設けたいものです。
そういった場が取れない場合は、絵を飾る壁をしっかりと確保する・・・、といった計画もいいと思います。スポットライトやユニバーサルタイプのダウンライトでその壁を明るくクローズアップさせてあげましょう。
できれば、玄関ドアの正面に配置することによって、目線をしっかり受け止めます。
■ 十分な収納空間を設ける
最近は、シューズインクロークという玄関収納が注目されています。
玄関に収納したいものは、靴や傘だけではありません。ベビーカーや子供の遊具、アウトドア用品やゴルフバックなど大きな収納物が多くあります。それらを仕舞うためには家具では限界があります。そこで、ウォークインクロークとして、小部屋が設けられることが多くなりました。ゆったり空間が確保できる場合は、その場所が家族の上がり口を兼ねる場合もあります。収納を十分に確保することによって、玄関を美しく保つことができます。
■ トイレやプライベート空間への動線への目線をコントロールする
玄関からトイレの出入り口が見えたり、奥のプライベートスペースへの動線が見えたりする場合が多くあります。遮蔽の工夫をしたり、それらが見立たないようなコーナーにフォーカルポイントを設けたりして、目線をコントロールしましょう。
■ 十分な広さが確保できない場合が多いので、広く感じさせる工夫をする
玄関は、広い空間を確保できない場合も多くあります。広く感じさせる工夫を提案のポイントに盛り込みましょう。
■ 安全のための手すりやベンチへの配慮をする
お年寄りがいらっしゃるお客様の場合は、当然手すりやベンチの工夫が必要ですが、若いご家族も、いずれはそういった配慮が必要になります。下地を準備しておくなど、将来への配慮も忘れずにしておきましょう。
<レイアウトの事例>
■スペースが狭い場合は、上がり框や飾り棚を斜めに配置しますと広がりが感じられます。また目線を外部に導くことによって、視線距離が伸び一層の広がりを感じさせることができます。

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■玄関ホールを少し広く確保できるようであれば、シューズインクローク(物入れ)を設けると、履物やアウトドア用品が片付きすっきりとさせることができます。

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■玄関からトイレやプライベートな空間が見えたりする場合は、目線を斜めに振って、それらが意識できないように工夫しましょう。フローリングの貼り方や、タイルの貼り方、また窓の位置やフォーカルポイントとなるニッチの位置や形状などによって目線の調整をするのも方法です。
2008/12/01
居心地のよい空間、コミュニケーションのとりやすい空間は、目線の高さの調整が大切です。目線の高さは、大きく立位と椅子座位と床座位が基準になります。
コミュニケーション上、アイレベルの佐賀大きいと落ち着きません。出来るだけ会いレベルの差や角度が小さくなるように計画しましょう。
アイレベルの高さの差が大きいときは、距離を取りますと、角度が小さくなり自然です。しかし、狭い空間や距離が取れないときは、アイレベルの差がないように計画しましょう。

下記は椅子座と床座のダイニングを繋げたプランです。
ダイニングテーブルは高さ700mm、ダイニングチェアーの座面がおおよそ400㎜、座卓の標準の高さが350mm、したがって、たたみ部分の床は350mm上げることとなります。
しかし、あまり上げすぎてしまいますと、今度は和室部分の天井が低くなりますので、全体のバランスや、家具の正確な寸法を確認して、寸法を割り出していきます。小さい寸法は小さい寸法なりに、使われる方の身長や体系ともかかわってきますので、細やかな調整が必要となります。
下記は、ダイニングテーブルを20mmほど低くして、座卓を30mmほど上げています。
あくまでも、その計画なりの調整が必要です。
2008/11/29
従来のクローズタイプのキッチンに代わって、キッチンのワークトップがダイニング側に開いた、対面キッチンが多く計画されますが、その時のポイントが、カウンター周りです。
吊り戸棚も最近は付けない・・・という方も多くいらっしゃいます。そんな計画では天井までぽっかりと開いてしまいます。オリジナルなデザインをプラスして差し上げると、ダイニングキッチンがぐっとおしゃれになり、提案が活きてきます。



2008/11/25
ダイニングの計画の中で、たびたび気になるポイントが、食器棚です。
最近は、キッチンの背面に、大きなキャビネットを新築時に設置される方が多いのですが、
そのためか、ダイニングに食器棚を置く壁面(スペース)が設けられていないことがよくあります。(・・・設けられていないというより、意識しないとそのスペースが取れないといったほうが適切かもしれません。)
まず、食器ですが、多くは普段使いの食器で、これはキッチンに仕舞うことでよいと思うのですが、たいていお客様用、もしくは装飾にしたいような食器をお持ちの方が多いように思います。

これらは、言い換えれば、コレクションであったり、記念の大切なものです。このような食器類は、是非ダイニングで楽しみたいものです。
食器棚というより飾り棚といった方が適切かもしれませんね。
若いうちはシンプルなものを使いまわしで数少なく・・・、と思っていても、歳を重ねていきますと、どうしても身の回りで楽しみたいものも多くなります。
そういったものの仕舞い方、家具のデザインの提案は確認したいポイントです。
また今必要ない・・・という場合は、スペースの確保に留意しておきたいものです。

2008/11/21
照明計画は近年、間接照明が多く用いられるようになりました。
しかし、食卓の上にはやはり、団欒の場を華やかな雰囲気にし、光の中心を作るペンダントライトが適切でしょう。
ペンダントライトといいますと、天井から吊り下げるタイプの照明器具ですが、低い位置に下がってくるために、そのデザインは大変目立ちます。ですから、そのデザインは、空間のインテリアイメージやダイニング家具に合わせてセレクトしたいものです。

新築の場合、照明器具というと、プランナーが提案して、カタログから決めることが多いのですが、デザイン器具に関しては、是非実物をごらんいただくよう、ご提案したいですね。光の効果はもちろん、陰影の美しさはカタログではなかなか読み取れません。
遊びが取り入れられる部分でもありますし、ここはデザインにこだわっていただくポイントです。
■ 最近の流行は・・・、小さい器具を2~3個並べて吊り下げる方法です。
取り付けに便利な配線ダクトもいろいろありますので、配線が一箇所でも、数灯の取り付けが可能です。

パナソニック電工事例より
■ デザインは・・・、ペンダントライトには、たくさんのデザインがありますので、メーカーショールームやインテリアショップなど廻っていただいて、気に入った器具を見つけていただくのも計画段階の楽しみになります。
■ 大きさは・・・、空間とテーブルの大きさとのバランスになります。テーブルの大きさに対して、大きすぎるのは、うっとうしく感じますし、また時に立ち座りのとき頭をぶつけてしまうことにもなりかねません。アドバイスが必要なポイントとなります。
■ 高さは・・・、テーブルトップから器具の下端まで700mmぐらいが基準です。後は空間とのバランスで微調整するといいでしょう。
このペンダントライトにちょっとこだわっていただきますと、空間に大変上質感が生まれます。

2008/11/21

家族の団欒ということに関心がもたれる中、大きなテーブルがほしいとおっしゃるお客様が多くなりました。
また新築需要の多くを占める、子育て期に入る団塊ジュニア世代においては、ダイニングが、学ぶ場であったり、遊ぶ場であったり、また両親とのコミュニケーションの中心となります。
大きなテーブルは、まさにご家族の様々な暮らしのイメージを広げる、パブリックスペースの中心といえます。
■ ダイニングテーブルの大きさ
既製品のテーブルのサイズでもっとも一般的なサイズが、幅1350mm*奥行800mm*高さ700mmというサイズです。以前は1200mmが多くありましたが、近年はひと回り大きくなっているようです。
スペースが許せば、1500mm~1800mm位ありますとゆったり感や多人数での食事が可能となります。
■ 食事のセッティング
テーブルの幅は、本来は食事を並べて要する寸法が基本となります。おおよそ下記の寸法です。肘の広がりや余裕を見て、一人当たり500~600mm必要です。
ですから、1800mm(*900mm)のテーブルであれば、3人並ぶことができ、一つのテーブルに6人から8人で食事が可能です。
また、1200mm直径の円卓であれば7人~8人ぐらい座ることができます。
■ テーブルの形
一般的には長方形が多いのですが、空間の形状によっては円形のテーブルのほうが、納まりがよい場合もあります。リビングダイニングの間口が広く、奥行きが狭い場合・・・、すなわち正方形に近い形状の場合などです。
また円形は、角がありませんので、動線がスムーズであったり、視線が中心に集まり、和やかな雰囲気を作り出します。
空間にレイアウトしてみて、適切な形状や大きさを選びましょう。

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■ ダイニングテーブルのデザイン
リビングソファは、詰め物(クッション材)がへたり、買い替えることも出てきますが、ダイニングの家具は、まさに一生ものといえます。
それだけに、気に入ったものをじっくり選んで購入をお勧めしたいものです。
家具屋さんでは、ダイニングテーブルとチェアーはデザインや素材を統一して、セット販売されていることが多いですが、別々に自分の好きなデザインを選んで組み合わせて求められる家具もあります。
またテーブルは空間に合わせて、材質を選び、特注することも可能です。無垢材のテーブルなど、経年変化で味わいを増し、家族の歴史を作るにふさわしいものかもしれません。
一方、テーブルクロスを必ず使う習慣の方などは、テーブルの素材やデザインにはあまりこだわりません。機能さえあれば・・・という方もいらっしゃいます。
トータルコーディネートの視点からダイニング家具を見ますと、住まわれる方のライフスタイルを一層反映するのがダイニング家具のように思われます。
暖かな印象のカントリー家具、素材を生かしたナチュラルな北欧家具、フォーマルでエレガントな様式スタイルの家具、和風民藝調の家具など、様々です。
食の好みや、食器の好みなどとも共通するように思われます。
そういった特性を持った家具ですので、ダイニングキッチンのご提案には、是非ご家族にぴったりの一品をご提案したいものです。
2008/09/19
■「コンサルティング」とは相談に応じるという意味です。「コンサルタント」とは相談に応じる人ということになります。私たちの業界だけでなく、様々な領域で様々な専門のコンサルタントがいます。
■私たちの業界の「コンサルティング」とは、快適な生活環境を作りたいと願う生活者の要望に応え、それを実現するまでを領域とします。当然建築という手段を介して、その実現を図ることになりますので、応対や提案のみならず、それを作り上げるまでがその領域で、幅広い専門性を要求される仕事となります。
■住まいづくりに携わる専門家として、建築士やインテリアプランナー、インテリアコーディネーター、キッチンスペシャリスト、福祉住環境コーディネーターなどの資格がありますが、「コンサルティング」という項目を試験審査基準においている・・・職能の基本知識としているのは「インテリアコーディネーター」と「キッチンスペシャリスト」だけです。
■「キッチンスペシャリスト」のコンサルティング力についての要求がどれだけのものが詳しくはありませんが、「インテリアコーディネーター」の「コンサルティング」については、コーディネーターという職能においては、インテリアの知識や技術と不可分な専門領域として位置づけられてきました。
住宅産業は、その応対や生活提案において、ライフスタイル空間提案業という捉え方出なければ、お客様の要求に応えきれない時代となりました。そこで要求されるのが、コンサルティング力です。
■「コンサルティング」というと、よくお客様の要求を把握する手法のように捉えられていますが、むしろ、要求を作り出す技術といった方が適切のように思われます。
お客様の言葉にならない要求や、内在する要望を引き出し、顕在化させて、トータルな空間提案にまとめ上げ、要求を具体化する、実現する、満足を作り出す、まさにそのプロセスが「コンサルティング」ですが、そこには、「コンサルティングサービス」という姿勢が求められます。
2008/09/08
最近、ある業界紙の紙面に「感性価値」という言葉を見つけました。
ハード志向の業界に「感性」という言葉が以外で、調べてみました。
■「感性価値」とはなにか・・・。
経済産業省の「感性価値イニシアティブ」という、需要喚起のための経済政策提言から来た言葉です。
建築業界・住宅業界だけについて述べたものではなく、全経済界に向けた発信です。
消費が伸びない時代を向かえ、生活者の感性からの要求、すなわち心の充足を満たす商品やサービスの研究・開発が必要だと言うものです。
→経済産業省:「感性価値イニシアティブ」について
■私たちの業界に置き換えて言うならば、「ライフスタイル実現」の場としての空間の提案とその空間づくり・・すなわち満足づくりへの転換が必要であり、「機能」や「価格」、「企業や商品への信頼感」といった従来の価値軸では、売れない、利益が取れない時代を迎えた、・・・ということです。
■生活者の要求の変化という視点から見てみますと、私たちの業界でも、その必要性は、ずーっと以前から言われてきたことです。私たちは、満足づくりの「コンサルティング」という視点から、要求の変化とそれへの対応として、戦略の組立てや理論構築、人材の育成と取り組んできています。
しかし、確かに今ひとつ、それらは住宅建築や販売の現場には定着してきませんでした。
なぜ、今「感性価値」が問われる時代であるのかを考えますと、本当に売れない、厳しい時代が到来したということなのでしょう。バブルが崩壊し、「いよいよ」と思った時期も、振り返ってみると、そんなに「売れない」時代ではなかったのです。また生活者の需要がそこまで成熟化していなかったともいえますが・・・。
■私たちの業界は、「建築」を手段としながらもそのビジネスの本質は、すでに「ライフスタイル創造」事業と変化しています。「マーケティング」の基本論のひとつに「需要創造」がありますが、潜在化する要求をどう顕在化させて、そこに必要性・・・需要を作り上げるか・・・、「商品」や「サービス」を作り上げる「人」とその専門性、「技術」「理論」が必要とされる時代の到来です。
2008/08/21
「暮らしの見えるプレゼンテーション」は生活を図面に落とし込むことと御説明しました。
生活というのは暮らしそのものですから、図面に落とし込むことはできません。しかし、暮らしを道具に置き換えることによって、図面に落としこむことができます。
私たちはこれを「ライフシーンプラン」とよんでいます。
ソファがあれば、くつろぎが見えてきます。くつろぎ方が見えてきます。本を読む、昼寝をする、テレビを見る、音楽を聴く、ゲームをする・・・、どのように過ごすかは、お客様が話してくれます。そういったシーンを御提案することで、さらに深く御要望を引き出すことができるのです。
ダイニングテーブルがあれば、食事や団欒、家事や子供の勉強、また友人知人との楽しい交流まで話が広がっていくでしょう。そんなお話から、お客様の趣味が見えてくるかもしれません。
食事をするだけではなく、そのテーブルを囲んで、家族のいろいろな暮らしのシーンが見えてきます。コミュニケーションが見えてきます。よい場を作ってあげると、家族の会話が良くなるのです。
家族人数分の大きさではなく、大きな大きなテーブルが欲しくなるかもしれません。
大きなテーブルにあわせて、大きな空間が欲しくなるかもしれません。
吹抜けがあるといいな!・・・暖炉が欲しいな!・・・テラスがあれば、ホームパーティができるな!・・・。
そして、そこで過ごすことが多くなると、それぞれのシーンに必要な物を収納する場が必要になるでしょう。
こうして、そのご家族の空間の姿が、どんどんはっきりとしてきます。
いかがですか?
御家族の暮らしの物語がどんどん出来上がって行きますね。
こんな物語をやり取りしたり、組み立てていく「ライフシーンプラン」は、100分の1の図面では小さすぎます。しっかり空間がイメージできる50分の1の図面で打合せしましょう。
■100分の1の図面では、・敷地に対する建築の配置、・空間のゾーニングや広さ などの検討に適しています。
また家具のレイアウトがされていないと、暮らしが見えてきません。
■50分の1の平面図は、家具の配置をすることによって暮らしが手に取るように見えてきます。またさらに動線や視線の計画、収納の位置や量の確認、扉の開閉、照明やコンセント、スイッチなども適切に計画できます。
形の見えない住宅を作り上げていくためには、生活を明確にイメージしていくことが必要です。また、住まい手と造り手がそのイメージをしっかり共通のものとしていかなければ、満足いくものを御提案し、作り上げていくことは難しいでしょう。
計画時、住まい手ご自身も、まだ自分たちの住まいについてのイメージを、しっかりとは把握してはいらっしゃいません。「ライフシーンプラン」をベースにお客様とお打合せすることによって、より深くお客様の御要望を引き出していくことができます。

2008/08/20
住宅事業はライフスタイル産業の最たるものといえます。
お客様とのコニュニケーションのテーマは、「どう暮らすか」・「どう生活するか」・「どう生きるか」ということです。
それがお客様にとっての最大の関心事です。
そのようなお客様に、空間の広さや(○畳です)、開口の大きさ(掃き出し窓です)や、部屋の仕様(フローリングです)といった説明では、その空間の意味を伝え切れません。
そこで、家族がどんな過ごし方ができるのか、何人のパーティができるのか、どんな会話が見えるのか・・・、そういった生活の要求に対してのプレゼンテーションが求められます。
下記は、ランダムに上げた、現代に垣間見える生活者の生活欲求の断片です。豊かになった現代、生活者の欲求は多様です。
いかがですか。自分自身の中にも共感する要求がありますよね。
それぞれひとによって、こだわりの項目は異なるでしょう。そして、空間の計画に反映できること、できないことはあると思います。提案は、そういった要求に応えていくことでもありますし、また潜在的な要求を引き出すためのものでもあります。
そのためには、「暮らしの見えるプレゼンテーション」を考える必要があります。
下記の平面図は、暮らしを描きこんだレイアウト図と建築CAD図です。ヒューマンな暖かい手描きのタッチと、機械的なシャープなタッチも異なりますが、建築を説明するための平面図と暮らしを説明するための表現の違いが、明らかに見えてくると思います。
前者を用いてのコミュニケーションでは、説明しなくとも、お客様からどんどん生活の要求が出てきます。
しかし、後者では、説明する人も、聞く人も、暮らしのイメージができません。
暮らしの見えるコミュニケーション、暮らし方を提案するにあたって、どちらが適切であるかお解かりいただけると思います。
楽しい計画図をご覧頂きましたが、要は、視点を暮らしに置くということが、大切だということです。
その上で、それぞれの目的に応じた、その表現方法を考えてみるといいと思います。
二次元の表現方法でもこんなに豊かな表現ができるのです。スケッチパースという三次元の表現では、更に具体的な踏み込んだ計画をコミュニケーションできるでしょう。
2008/08/19
私たちの業務の中で、プレゼンテーション(PRESENTATION)とは、(計画などを)提示することを言います。
お客様の要望に基づいた計画提案を、まとめお客様にご提示することです。
私たちの仕事は、車やその他の耐久消費財のように形のあるものを販売する仕事とは大きく異なります。
計画段階では、影も形もないものを、個々の要望に基づき計画し、その実現までを仕事としています。計画業務だけを仕事とする場合もありますが、いずれにしても、お客様の目的は、「快適な住まいをつくる」ということにありますから、要求を理解し、適切な計画案としてまとめ、その提案を理解し、納得していただくことが、私たちの仕事の前提となります。
どんな良い計画も、プレゼンテーション如何では、却下されることもあるのですから、まさしく私たちの仕事の「決め手」のひとつがこのプレゼンテーションということになります。
私たちの提案業務は大きく、□要望を知るためのコンサルティング(ヒヤリング)、それらを□プロの技術でまとめ上げるプランニング、□お客様に納得していただくためのプレゼンテーションの3つの柱で構成されます。
計画の中身もなく、口八丁・手八丁で丸め込んでしまうようなテクニック論は論外として、お客様への知恵を集めた計画をどう納得していただくか・・・、またプレゼンテーション以前の課題として、お客様の要望はどこに、どんなことがあるのか、どのようなポイントで計画するのか・・・、そのようなことも含めて、この講座で考えていけるといいと思います。
スケッチパースという表現手法は、それらの一つでしかありませんが、大きな力となる技術です。知識と技術そして、伝え方を考える、また皆様の仕事を考える場になれば幸いと思います。